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アジャイルなデータ活用を実現するデータ活用プラットフォーム

この記事の概要

日本企業のデータ活用は十分なレベルでは進んでいない。それにはデータの複雑性をはじめ様々な課題があるからだと言える。これを克服するのが、KDDI Digital Divergence Holdingsのグループ企業・フライウィールが提供するデータ活用プラットフォーム「Conata(コナタ)」だ。データの活用が進まない要因と、データの価値を最大化させる先進事例について、フライウィールCEOの横山直人氏が語った。

  • ※このコンテンツは日経BPの許可により「日経クロステック Special」(2023年11月1日~11月30日)より抜粋して作成したものです。

【人物肩書き】

株式会社フライウィール 代表取締役CEO
横山 直人 氏

現代は将来の予測が困難な「VUCA時代」と言われる。そうしたなかでも企業は事業成長を求められている。先進企業の多くは試行錯誤を繰り返しながら、小さな成功を大きく成長させるといったアプローチで事業を育てている。その際、データ活用は必須だ。

「アプリケーション開発においては、スピードを重視したアジャイル手法が一般化しています。これからは、データ活用の領域でもアジャイルを導入する必要があるでしょう」と語るのは、フライウィールの横山直人氏である。フライウィールはデータ活用分野のスタートアップ企業だ。

「データを可視化・探索し、素早く検証してデータモデリングなどを行い、素早くそのシステムを運用、結果をフィードバックして改善を繰り返す。このサイクルを高速で回す必要があります」と横山氏はデータ活用のポイントを指摘する。これにより変化する要求へのタイムリーな対応が可能になり、リスクの最小化にもつながる。

日本企業がアジャイルなデータ活用に取り組む上では、多くの課題がある。「具体的には、データの複雑性に対応しきれない、設計時の検討項目が複雑で多い、PDCAをなかなか回せない、大規模データの処理に時間がかかる、の4点です」と横山氏は話す。これらの解消を目指し開発されたのが、「Conata」である。

小売店における品ぞろえ最適化への挑戦
実売率は約20%改善

Conataは構造化データ、非構造化データを含む多様なデータをスピーディーに統合し、需要予測やマーケティングなどでデータを有効に活用できる。流通・小売り、メーカー、インフラなど多くの企業で導入されているが、セミナーではカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の事例が紹介された。

データ活用プラットフォーム「Conata」の概要


構造化データや非構造化データといった多様なデータを高速で統合し、需要予測や物流最適化など様々な目的で容易に活用できる

構造化データや非構造化データといった多様なデータを高速で統合し、需要予測や物流最適化など様々な目的で容易に活用できる


CCCの課題は全国にある約800店舗における品ぞろえの最適化である。店舗では需要の把握が難しく、新刊においては、過剰在庫により納品の約40%が返品されている。そこで、売り上げ・在庫、送品・返品、商品情報など約180アイテムのデータをConata上で統合し、需要予測などを実施したところ、実売率(販売業へ出荷されたうち実際に売れた割合)が約20%改善した。「CCCが持つ極めて大きなボリュームのデータを、Conataを使ってデジタル空間に再現しました。今では全店舗の約80%以上に導入され、日々の発注業務を支えています」(横山氏)

フライウィールは今後、KDDIの持つ様々なデータを生かした価値づくりにも注力する考えだ。「顧客のデータ」×「KDDIビッグデータ」をConataで統合、活用することで様々な可能性が見えてくるはずだ。

  • ※このコンテンツは日経BPの許可により「日経クロステック Special」(2023年11月1日~11月30日)より抜粋して作成したものです。
【問い合わせ先】

KDDI Digital Divergence Holdings株式会社
https://www.kddi-digital.com/

株式会社フライウィール
https://www.flywheel.jp/